第31回(2022年(令和4年)9月11日実施)建設業経理士試験 2級 第1問・第2問の解答速報・解説
今回は2022年9月11日に実施された第31回建設業経理士試験の2級試験の第1問・第2問の解答・解説を作成しました。
解答
第1問(20点)
第2問(12点)
解説
第1問(20点)
(1)G 投資有価証券 9,800,000/B 当座預金 9,850,000
W 有価証券利息 50,000/
10,000,000×98/100=9,800,000
取得側の仕訳は簿記3級で習ったように「投資有価証券」と「有価証券利息」勘定を使用します。
※ 今回は語群に「満期保有目的債券」などの勘定は無いため、「投資有価証券」を使用します。
社債という単語につられて「社債」と「社債利息」勘定を使わないように注意しましょう。
※ 「社債」と「社債利息」勘定を使うのは、発行側の方です。
(2)E 建 物 500,000/H 営業外支払手形 1,850,000
X 修繕費 1,350,000/
「改良のための支出」は資産計上し(資本的支出)、「原状回復のための支出」は修繕費として費用計上(収益的支出)します。
(3)Q 資本準備金 500,000/N 資本金 500,000
(4)D 完成工事未収入金 82,500,000/R 完成工事高 82,500,000
「前期に計上している完成工事高」は、550,000,000×70,950,000/473,000,000(15%)=82,500,000円
「当期に計上する完成工事高」は、550,000,000×(70,950,000+72,450,000)/(473,000,000+5,000,000)(30%)ー82,500,000=82,500,000円
増額があって、慌てた方もいるかもしれませんが、増額後の金額で当期までの金額を計算し、そこから過年度の金額を差し引くだけで求まります。
この手の問題は頻出しておりますので、この機会に確実におさえましょう。
(5)M 完成工事補償引当金 260,000/B 当座預金 260,000
第2問(12点)
(1)¥ 2,700,000
5,200,000-2,800,000+300,000=2,700,000
(2)¥ 40,000
20,000,000-20,000,000×@99.8/@100 =40,000
簿記試験の問題文のように、「別途社債の簿価の記載が無い」と戸惑った方もいたかもしれませんが、単純に出だしの「社債20,000,000を~」から社債の簿価は20,000,000円だと判断して解答しましょう。
(3)¥ 2,650
仕訳
① 大阪支店: 本店 450/完成工事未収入金 450
② 本 店: 現金 250/大阪支店 250
③ 大阪支店: 旅費交通費 210/本 店 390
大阪支店: 交際費 180/本 店 250
④ 大阪支店: 材料 350/本 店 350
T勘定
(4)¥ 266,000
352,000(仮受消費税)ー86,000(未払消費税)=266,000(仮払消費税)
貸借に迷ってしまう方のために仕訳を記載すると
仮受消費税 352,000/仮払消費税 ?
/未払消費税 86,000
となり、?の仮払消費税を求めればよいという事になります。
終わりに
今回の第1問は標準的、第2問は少し難しい難易度だったのではないでしょうか。
「第1問」は、前回に比べて易化したと思われます。どれも解答しやすい問題で、少し難易度が高いと思われる工事進行基準の(4)も前回出題された問題と類似している問題なので解答できた方が多いのではないでしょうか?
「第2問」は、少し取っつきにくい問題が多かった印象なので、例年よりは少し高めの難易度と言ってもよいでしょう。
今回の難関はここの第2問であり、残りのところは比較的解きやすかったと思われます。
次回は第3問と第4問をアップする予定です。
第31回建設業経理士試験の問題と解答用紙は主催機関である「一般財団法人 建設業振興基金」のホームページにアップされています。
(建設業振興基金ホームページの過去の試験問題のページ)
https://www.keiri-kentei.jp/exam/past/
※このページの解答・解説は会計知識向上のため当ブログ独自の見解・考え方をメモ・記録したものであり、
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