第31回(2022年(令和4年)9月11日実施)建設業経理士試験 2級 第3問・第4問の解答・解説.
今回は2022年9月11日に実施された第31回建設業経理士試験の2級試験の第3問・第4問の解答・解説を作成しました。
解答
第3問(14点)
第4問(24点)
解説
第3問(14点)
・先入先出法と総平均法は、前月繰越高と総仕入の合計から期末有高を控除すれば、解答できます。
まず、先に3つの方法に共通の前提を計算しておきます。
前月繰越高+総仕入高:200kg×@140+800kg×@190+400kg×@180+600kg×@150=342,000
総入庫数量:200kg+800kg+400kg+600kg=2,000kg
期末に残っている材料の数量は、
200kg+800kgー400kg+400kgー300kgー300kg+600kgー500kgー100kgー150kg=250kg
より、250kg残っていることになります。
先入先出法:先に仕入れたものから払い出されるので、期末に残っている材料250kgは、すべて最後の18日仕入れ分(単価150円)が残っていることが分かります。
よって 期末有高:250kg×@150=37,500
だとわかり、前月繰越高+総仕入高ー期末有高と計算すれば材料費が求められます。
材料費:342,000ー37,500=304,500円
総平均法:材料の払出単価は1期間の平均より計算されるため、
342,000(前月繰越高+総仕入高)÷2,000kg(総入庫数量)=@171
よって 期末有高:250kg×@171=42,750
上記と同じ計算で 材料費:342,000ー42,750=299,250円
移動平均法:移動平均法だけは順番に計算していかなければいけませんが、材料の単価にだけ注目して計算していきましょう。
9/5・・(200kg×@140+800kg×@190)÷(200kg+800kg)=@180 数量1,000kg
9/9・・400kg払出 残数量600kg
9/12・・(600kg×@180+400kg×@180)÷(600kg+400kg)=@180 数量1,000kg
9/14,16・・300,300kg払出 残数量400kg
9/18・・(400kg×@180+600kg×@150)÷(400kg+600kg)=@162 数量1,000kg
よって 期末有高:250kg×@162=40,500
上記と同じ計算で 材料費:342,000ー40,500=301,500円
第4問(24点)
問1
ア.F(経済価値)
イ.B(経営)
ウ.D(給付)
エ.H(正常的なもの)
原価計算基準 三の「原価の本質」からの出題でした。
問2
1.月初未成工事原価
No.301:203,000(材)+182,000(労)+650,000(外)+121,000(経)=1,156,000
No.302:580,000(材)+324,000(労)+910,000(外)+192,000(経)=2,006,000
問題文2.(1)の表を合計するのみです。
2.労務費
No.301:@1,500×126時間=189,000
No.302:@1,500×205時間=307,500
No.401:@1,500×295時間=442,500
No.402:@1,500×316時間=474,000
3.材料費、外注費、直接経費
問題文4の表から転記するのみです。
4.工事間接費
工事間接費の予定配賦率:3,260,000/81,500,000=0.04(=4%)
工事間接費:
No.301:(414,000(材)+189,000(労)+ 670,000(外)+127,000(経))×4%=56,000
No.302:(539,000(材)+307,500(労)+ 873,000(外)+230,500(経))×4%=78,000
No.401:(491,000(材)+442,500(労)+1,296,000(外)+170,500(経))×4%=96,000
No.402:(562,000(材)+474,000(労)+ 972,000(外)+242,000(経))×4%=90,000
5.工事間接費配賦差異(月末残高)
当月工事間接費配賦差異:(56,000(No.301)+78,000(No.302)+96,000(No,401)+90,000(No,402))ー323,000(実際)=△3,000(借方)
月末残高:2,500(繰越残高:借方)ー3,000(当月発生額:借方)=△5,500(借方)
終わりに
今回は、第3問と第4問ともに例年並みの難易度だったのではないでしょうか。
ただし、第3問は計算方法によっては時間が掛かった方もいたかもしれません。この類の問題は、典型的な問題で他の会計試験でも出題可能性があるので、是非この機会に計算方法を抑えておきましょう。
第4問の問2は、3回前の第28回の問題の類題でした。是非過去問は解いてから本試験に向かいましょう。
次回は第5問をアップする予定です。
第31回建設業経理士試験の問題と解答用紙は主催機関である「一般財団法人 建設業振興基金」のホームページにアップされています。
(建設業振興基金ホームページの過去の試験問題のページ)
https://www.keiri-kentei.jp/exam/past/
※このページの解答・解説は会計知識向上のため当ブログ独自の見解・考え方をメモ・記録したものであり、
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