第30回(2022年(令和4年)3月13日実施)建設業経理士試験 2級 第1問・第2問の解答・解説
今回は2022年3月13日に実施された第30回建設業経理士試験の2級試験の第1問・第2問の解答・解説を作成しました。
解答
第1問(20点)
第2問(12点)
解説
第1問(20点)
(1)C 別段預金 7,200,000/T 新株式申込証拠金 7,200,000
3,600×2,000株=7,200,000
問題文の時点は、取扱銀行に払い込まれた時点なので、勘定科目は「別段預金」と「新株式申込証拠金」となります。
このあと、払込期日に「別段預金」→「当座預金」など、「新株式申込証拠金」→「資本金」などに振り替えることになります。
(2)M 仮受消費税 140,000/G 仮払消費税 158,000
H 未収消費税 18,000/
仮受消費税より仮払消費税の方が金額が大きいので、差額の18,000円は「未収消費税」として計上します。
(3)A 現金 150,000/F 機 械 装 置 120,000
/W 固定資産売却益 30,000
記帳方法は「直接記入法」なので、「機械装置の金額」は120,000円で累計額の計上は無いので、間違わないように注意しましょう。
売却金額との差額30,000円は「固定資産売却益」勘定で計上します。
(4)E 完成工事未収入金 16,000,000/U 完成工事高 16,000,000
「前期に計上している完成工事高」は、45,000,000×7,500,000/37,500,000(20%)=9,000,000円
「当期に計上する完成工事高」は、(45,000,000+5,000,000)×(7,500,000+11,250,000)/37,500,000(50%)ー9,000,000=16,000,000円
増額があって、慌てた方もいるかもしれませんが、増額後の金額で当期までの金額を計算し、そこから過年度の金額を差し引くだけで求まります。
(5)J 手形貸付金 1,000,000/B 当座預金 1,000,000
貸付たお金の代わりに手形を預かったので「手形貸付金」勘定で計上します。いわゆる金融手形です。
第2問(12点)
(1)¥ 550,000
支店の仕訳:本店 500,000/当座預金 500,000
本店の仕訳:車両 500,000/支店 500,000
よって、50,000(もともとの借方残高)+500,000(車両購入時)=550,000円
(2)5年
機械装置Aの減価償却費:1,300,000÷5年=260,000
機械装置Bの減価償却費:2,800,000÷7年=400,000
機械装置Cの減価償却費: 600,000÷3年=200,000
3つとも残存価額はゼロなので、要償却額=取得原価となります。
(1,300,000+2,800,000+600,000)÷(260,000+400,000+200,000)=5,46… → 5年
-4,700,000- -860,000-
(3)¥ 328,000
銀行残高:331,000+20,000=351,000
当社残高:□+35,000-12,000=351,000
→ □= 351,000-35,000+12,000=328,000
(4)¥ 46,080
(1,200kgー48kg)×(320ー280)=46,080
-1,152kg- -40円-
終わりに
今回の第1問と第2問は標準的~少し難しい難易度だったのではないでしょうか。
「第1問」は、(1)では別段預金と当座預金、新株式申込証拠金と資本金で迷ったり、(2)は珍しく未収だったり、(3)は直接記入法の記載を読み飛ばしたり、(4)は増額の処理の記憶があいまいだったり、(5)は受取手形にしてしまったりなど、今回も知識があいまいだと点数を落としてしまいそうな確実な知識を問う問題が多めでした。
また、今回は「工事進行基準」の問題以外が例年と少し傾向が違ったことに驚いた方もいたのではないでしょうか。
それでも合格のためには、最低3問以上は死守したいところです。
「第2問」も本支店会計の残高など、少しマイナーな論点からの出題で知識があいまいだった方もいたかもしれないことを考慮し、標準的~少し難しいくらいの難易度だったかと思われます。ただし、総合償却は過去に何度か似たような問題が出題されていることから、やはり過去問対策は重要だと言えるでしょう。
しかし、第3問以降が少し易しめだったので、第1問、第2問の難しさに引っ張られなかったかどうかが、今回の試験の分かれ道だったかもしれません。
次回は第3問と第4問をアップする予定です。
➤第3問・第4問の解説をアップしました。
第30回建設業経理士試験の問題と解答用紙は主催機関である「一般財団法人 建設業振興基金」のホームページにアップされています。
(建設業振興基金ホームページの過去の試験問題のページ)
https://www.keiri-kentei.jp/exam/past/
※このページの解答・解説は会計知識向上のため当ブログ独自の見解・考え方をメモ・記録したものであり、
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