第29回(2021年(令和3年)9月12日実施)建設業経理士試験 2級 第5問の解答・解説
今回は2021年9月12日に実施された第29回建設業経理士試験の2級試験の第5問の解答・解説を作成してみました。
解答
第5問(30点)
解説
第5問(30点)
(1) ①当座預金 1,500/未払金 1,500
②未取付小切手は銀行側の調整のため仕訳なし
(2) 未成工事支出金 2,500/材料貯蔵品 2,500
(3) ①旅費交通費 7,300/仮払金 6,500
/未払金 800
②(11)でまとめて処理しております。※保留する場合は必ずわかるようなメモ等を残しましょう。
(4) ①機械装置減価償却累計額 6,000/未成工事支出金 6,000
-減価償却費-
@7,500×12(予定計上済額)ー84,000(実際発生額)=△6,000(過大計上)
②備品減価償却費 4,500/備品減価償却累計額 4,500
(32,000-14,000)×0.250=4,500
-減価償却費累計額-
(5) ①仮受金 14,000/完成工事未収入金 14,000
②仮受金 10,000/未成工事受入金 10,000
(6) 貸倒引当金繰入額 8,220/貸倒引当金 8,220
一般債権:(68,000(受手)+721,000(未収入)ー14,000(5)①ー15,000(懸念))×1.2%=9,120
貸倒懸念:7,500
繰 入 額:9,120ー8,400(貸引残高)+7,500(懸念)=8,220
(7) 完成工事補償引当金 2,400/未成工事支出金 2,400
9,800,000(完成工事高)×0.2%ー22,000(引当金残高)=△2,400(戻入)
(8) 退職給付引当金繰入額 7,000/退職給付引当金 25,000
未成工事支出金 18,000/
※現場作業員分は原価参入されるので、勘定科目が「未成工事支出金」になることに注意してください。
(10) 完成工事原価 33,000/未成工事支出金 33,000
(84,500(残高)ー2,500(2)ー6,000(6)①+2,400(7)+18,000(8))ー63,600(次期繰越額)=33,000
(11) 法人税、住民税及び事業税 42,000/仮払金 32,000
/未払法人税等 10,000
(9,807,400(収益計)-9,667,400(費用計))×30%=42,000
終わりに
今回の第5問は、至って例年どおりの傾向・難易度かと思われます。構成も前回とほぼ同じでした。
受験の際は是非、過去問を解いて準備をしましょう。
今回の試験も全体を通して少しずつですが、「知識の正確さを問う問題」「あまり見慣れない問題」「端数が生じる問題」があり、さらにトラップもある試験でした。
内容自体は簡単な箇所も多かったので難易度的には並み程度になるでしょうが、ドミノ的に躓いた方もいらしたかもしれません。
ただ、全体を通して過去に出題実績のある論点も多く、過去問をちゃんとこなしていた方は合格できた方が多かったのではないでしょうか。
経審の改正もあり、前回・今回の傾向を見ると試験も通常の簿記だけではなく、ちゃんと"建設業会計を練習した方"に合格させるようになっていく可能性も考えられます。
次回受験される方は、建設業特有の論点の確認、過去問の練習をしっかりとこなして試験に臨みましょう。
第29回建設業経理士試験の問題と解答用紙は主催機関である「一般財団法人 建設業振興基金」のホームページにアップされています。
(建設業振興基金ホームページの過去の試験問題のページ)
https://www.keiri-kentei.jp/exam/past/
※このページの解答・解説は会計知識向上のため当ブログ独自の見解・考え方をメモ・記録したものであり、
専門学校などの専門家の組織体のような素晴らしく完璧な解答・解説ではございません。
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